「きっと君はそこにいるよ。」
自分を自分たらしめる要素とはなんだろうか。
人との繋がりだろうか、過剰な自意識だろうか、
強迫症状がなくなった。
4月に入ってからだと思う。
私はこれまで数年間、いつからかわからないけれど強迫性皮膚摘み取り症と呼ばれる強迫症状に苦しんでいた。
自傷皮膚症などとも呼ばれる。
一種の自傷行為で、体の一部の皮膚を毟ってしまう病気だ。
リストカットなどとも近いけれど、酷なのは自分が無自覚に皮膚を毟っていることだった。
集中するべきことなどが終わり、ふと指に目をやると爪の端から肉片がずるむけていた事がしょっちゅうあった。
治りかけの皮膚もすぐめくってしまうので治る日など来ないと思っていた。
強迫症状が加速するにつれ、一番ひどくなった時期では足の裏が大変なことになっていた。
皮膚をむしりすぎて、完全に足の裏(かかと)の肉が露呈している状態。
歩行困難になって、絆創膏二枚重ねでバイトに行っていたっけ。
とにかく痛くて辛いのに、無自覚でやめれなかった。
しかし、強迫症状がなくなった。
コロナで在宅故か、人と関わる事で生じるストレスから解放され、心傷が癒えたのだろうか。
他人の存在が、無意識にもここまで自分を傷つけていると思わなかった。
別に、誰かが悪いとか嫌いだとかそういう問題ではない。
誰かから認識される事、適当な話をする事、全てが辛かったのだと思う。
人と関わる事は怖いから。
誰かを傷つける事に怯えるし、そんな自分も嫌だ。
何より私は傷つきたくない。
いつからこんなに社会に対して怯えるようになってしまったんだろうなあ。