わたしの内出血

頼むから静かにしてくれ

夢の外へ

 

 

1日遅れの二日酔い。

離脱症状のように汗が止まらない午前9時ごろ、いろんな小咄を思い出していた。

 

 

 

養子縁組の話

大学生活四年間のうち、ほとんど一緒にいたと言っても過言ではない友人がいる。

真面目で、ぶっ飛んでて、私を愛してくれる人。

友人の距離感というものはこれから大人になればなるほど難しくなるのだが

これからもずっと一緒にいたいな、と思えるのはお花畑とかいうニヒルな言葉で済ませたくない。

私と圧倒的に違うのは、すぐに彼氏ができることだと思う。

シンプルに美人だし、いい子だけど、圧倒的に男からモテる。女の香りがする。

あまりにも私と対照的すぎて、彼氏ができない私と養子縁組を組もうと言ってくれた。

それなら結婚しても、ずっと一緒に入れるよねって。

そんな私は最近、友人の彼氏から束縛されている。

「どこ泊まりにいくの?」とか。

友人を通して、束縛されている。

まあ普通に友人の「友人」の素行を心配しているだけなのだが。

養子縁組で彼の子供になる日は近いかもしれない。

 

 

アネモネの話

アネモネが部屋の中で花粉を飛ばしている。

すごく嫌だ、性的な感じがする。

アネモネは二輪買った。

アネモネ花言葉がメンヘラ臭くて好きだからだった。

もちろん色は赤だった。

私は花を買うくせに毎日丁寧に水を変えるわけではない。

アネモネに嫌気がさした頃、ふと触れた瞬間

花弁と花粉が弾けて飛び散った。散弾銃のようだった。

一時の恋煩いで枯れ果てるアネモネの気持ちにもなりたい。

多年草のくせに。

 

 

香りでごまかす話

好きな人がイソップの香水をつけていた。

イソップの「マラケシュ」はサンダルウッドの香りである。

男女共に好かれるユニセックスな香りで、性をごまかしてくるのはなんだか腹立たしい。

それと、私はもともとサンダルウッドが好きだったから悔しい。

お気に入りの香水もビュリーの「アル・カシール」という白檀系の香りだった。

別に、もともと好きなんですからね、ぷんすこ。

まあそれからというもの、私は何か香りものを見つけるたびに買い込んでしまう。

無印のお香、ビュリーのフレグランスマッチ、それだけじゃない。

ノンカフェインのチャイ、スパイスカレー、なんでもいいのだ。

胡散臭い、そういった香りもので自分の神経を紛らわせる。

何かを紛らわせることで精一杯なのだ。

しかし、そんな努力も無駄になる瞬間がある。

私は都内のイソップの前を度々通りかかるのだが、その度に彼を思い出すからだ。

さて、私はドルチェアンドガッバーナがどんな香りかは知らない。胡散臭そうだ。

 

 

ルミネエストの話

大学一年生の夏、ルミネのセールで新宿のルミネエストに2万落としてきたことを思い出した。

化粧もファッションもかじりたてで、なんとか取り繕うことで精一杯だった頃。

大抵、ルミネエストに行くと、三階で服を買いまくり

一階のタピオカ屋さんで寛ぐのが定番だった。

しかし、いつから私はルミネエストの地上階で買い物をしなくなったのだろう。

気がつけば、地下のビューティーアンドユースやBEAMSでしか買い物をしなくなっていた。

地上階は若い子ばかりで、ダメになってしまった。

それは多分私が若い子ではなくなってしまったからなのだろう。

ルミネエストだけじゃない。

原宿も下北も、自分の存在が浮くような感じがするから、ダメになってしまった。

しかし、ルミネ1,2はまだ抵抗がある、FRAY I.Dのお姉さんは、怖いのだ。

 

 

自分で髪を切る「少女」の話

自分で髪を切るアウトローな少女がいる。

前髪だけならまだわかる。

後ろ髪まで自分で切ってしまうのだ。

流石にそんな思い切った事は私は、到底できないのだが、なんだかかっこいい。

自分で生きた証を、自分でバッサリと切り落とす。

髪の毛には歴史があり、魂が宿り、そしてそれを断ち切り、新しい日を迎える。

ちなみに「少女」は今年で27歳になる。

恋愛も、人生観も、まるで少女のようにキラキラと光っている。

彼氏とはすぐに別れるし、すぐに泣くし。

でも、私はそんな彼女の存在を美しいと感じているのだ。

だから私は敬意を込めて少女と呼びたい。

永遠なものの、永遠でいて欲しいものの例として。

 

 

言語で語る話

人間の言語というものは、エモーショナルに装飾できる無限の可能性を秘めている。

私たちは口調や態度で、言葉の力を何倍も強めることができる。

しかしそれは時として、敗北へと導くことになるのだろう。

エモーショナルな人間は時として、全く理性的に聞こえないし、説得力がないのだ。

私みたいな回りくどい人間は、これまで最果タヒ村上春樹を読んできた人間は。

新書や論文ばかりを読んできた頭の固いおじさんや

東野圭吾などの現代小説を軽く読んできた女の子にはね。

たとえおんなじことを言いたくてもね。

だから、「勝ちたい」時は言語そのもので勝負することに決めたのだ。

「やほ!体調だいじょうぶ??もしよかったらご飯行こうよ〜」

じゃなくてさ、

「ご飯に行こう」ってね。

 

 

醒めてみる夢の話

微睡ながら、私の夢はなんだろうと考えていた。

夢という、なんとも魅力的で、無秩序で、切ない存在。

私には夢がない事は、何度もこのブログで触れてきたと思う。

つまらない人間なので、最終的に何かしたいと強く願うことがない。

結婚も、出産も、自己実現も、特にどうでもいい。

そんな人生が大きく切り替わる選択肢に、私は責任を持ちたくないね。

でも、一つ最近夢ができた。

とてもやりたいこととして、それはZINEを作ることだった。

こういった、くだらないブログでもはしがきでも、なんでもいい。

そう言ったものを集めて、誰かに読んでもらいたい。小さな書店に置いてもらいたい。

私の人生というものが、誰かの太事に入るような、小さなサイズで収まればいい。

それが私の生きた証、誰かの小話になればいい。

 

 

 
 

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